つい先日、中体連が2017年度の新たなデータを発表しました。
概ね予想通りの結果でした。
前回書かせていただいた以下の記事でもわかるのですが、やはり軟式野球に所属している生徒の数は減少傾向にあります。
野球の人気はなくなったのか?中学軟式野球の競技人口は10年で約40%減少
野球人気は終わったのか?
この問いに対して今回は他のスポーツのデータと照らし合わせながら考察していきます。
止まらない野球人口減少
2017年度も継続して軟式野球部に所属する生徒の数は減少していました。
下の表は過去10年のデータを表にまとめたものです。
2016年から2017年にかけて1万1000人の減少となっています。
2008年度、すなわち10年前の数字を100%とした場合、2017年度の増減率は56.98%です。
要するに中学校における軟式野球部の競技人口は10年前から約43%も減少しているという事になります。
たったの10年で43%も競技人口が減少しているのです。
この減少率はグラフを見るとより明らかです。
特に2011年から現在に至るまでは毎年のように5%ほど競技人口が減少しています。
(2008年度を100%とした場合)
如何に軟式野球離れが進んでいるのかという現状が見て取れますね。。
中学生の人口と比較
野球の人口が減少しているのは子供の数が減少しているからだ!という人もいるかもしれないと思ったので、中学生の人口推移と比較してみました。
(文部科学省、学校基本調査の結果をもとにしています。)
以下が中学軟式野球部の競技人口と中学生(男子)の人口を比較した表です。
2008年を100%とした場合、2017年度現在の中学生(男子)の人口は約7%減少しているのに対し、
軟式野球部の競技人口は約43%の減少です。
もうこれを見ただけで十分ですね。
中学軟式野球の競技人口は日本の中学生(男子)の人口減少と比較しても減少率は異常であるということです。
サッカーとバスケットボールは?
では他のスポーツの競技人口はどのような推移なのでしょうか?
今回はプロリーグもあり日本でも人気のスポーツであるサッカーとバスケットボールを対象にデータを出してみました。
(両競技ともに男子生徒のみのデータです。)
結果から先にみてみましょう。
下の表がサッカーとバスケットボールにおける過去10年間のデータです。
サッカーとバスケットボールの競技人口は過去10年間みてもほぼ横ばいです。
2017年度はともに競技人口は減少していますが、それでも10年前を100%とした場合で94%といった感じです。
サッカーは2011年から2013年までの間は競技人口が上昇していますね。
人口が減少しているといわれるなかで競技人口が増加していること凄いことです。
バスケットボールは全体的にみて横ばいであるといった印象を受けます。
グラフにするとより鮮明です。
サッカーの競技人口が2013年まで増加していることがわかりますね。
バスケットボールにおいても2017年を除くとほぼ横ばいであることが見て取れるかと思います。
(Bリーグが昨年開幕したにも関わらず、バスケットの競技人口は減少しているのは意外でした。ですが、今後10年の競技人口の変化には注視したいと思います。)
このグラフだけでは増減率が大きき見えてしまうのが少し残念です。。
一応、中学生(男子)の人口推移と比較した表も貼っておきます。
これをみるとサッカーとバスケットボールの2017年度における競技人口の減少はいたって普通であるということがわかりますね。
野球の競技人口率は異常
野球、サッカー、バスケットボールの3つを同じグラフに表してみました。
はっきり言って野球の競技人口の減少率は異常です。
上のグラフが3つのスポーツの競技人口推移を表したものです。
野球だけすごい勢いで競技人口が減少していますね。
もはや異常です、異常。
全体的な競技人口においても、2013年度を境にサッカーと野球が入れ替わっています。
野球がこのままの減少率を保つようなことがあれば3年以内にはバスケットバールにも競技人口数を抜かされることでしょう。
今後は?
2017年度のデータからみても中学軟式野球の競技人口は今後も減少していくことはまず間違いないでしょう。
Bリーグの影響をやJリーグのDAZNとの大型契約を考えると益々、野球の競技人口は減少していくかもしれません。
どのように軟式野球の競技人口の減少を食い止めるか検討していく必要があるでしょう。
もちろん外部チームの人口をいれても野球の競技人口の減少は凄まじいスピードで進んでいるのは間違いないですが。


コメント
柔道なんかもっと減少が大きいようです。野球の減少ばかり取り上げるマスコミには疑問を抱いています。
それは野球がまだ日本で人気のスポーツだからではないでしょうか?
プロ野球もあります。
また、野球関係者の競技人口減少に対する危機感が全くかんじられないのでマスコミが取り上げることによって指導者が危機感を抱いていただければ良いことだと思います。